こんにちは。高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」です。

受け口（反対咬合）は、下の歯が上の歯より前に出ている状態を指し、見た目だけでなく噛み合わせや発音、顎関節への影響も及ぼすことがあります。子どものうちに対処されるケースが多いですが、大人になってから治療を検討する方も少なくありません。

この記事では、大人の受け口の矯正治療の方法や費用の目安について詳しく解説します。

受け口とは

受け口とは、上下の歯を噛み合わせたときに下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態を指します。医学的には反対咬合と呼ばれ、歯並びの問題だけでなく、あごの骨格や筋肉のバランスにも関係していることがあります。

見た目や発音、咀嚼への影響が出る場合もあり、早期の対策が望まれます。

受け口になるのはどうして？

受け口の原因には、骨格的な問題や歯並びのバランス、生活習慣など、さまざまな要素が複雑に関係しています。ここでは、受け口が生じる主な原因について詳しく解説します。

骨格の成長バランス

受け口の原因として最も多く見られるのが、顎の骨格の成長バランスの乱れです。通常、上顎と下顎は調和を保ちながら成長しますが、下顎の成長が過剰であったり、逆に上顎の成長が不十分であったりすると、受け口の傾向が現れます。

骨格的な問題は遺伝的要素と関係していることが多いです。

骨格由来の受け口は、見た目に顎が突き出して見えるしゃくれと表現されることもあり、歯の位置だけでなく顔貌全体に影響を与える可能性があります。成長期に現れやすい特徴ですが、大人になってからも形状は変化し続けることがあります。

歯並びの位置の異常

骨格に問題がない場合でも、上下の前歯の位置関係にズレがあると受け口のような噛み合わせになることがあります。たとえば、上の前歯が内側に傾いていたり、下の前歯が前方に出ていたりすると、見た目としては受け口に近い状態になります。

歯列の並び方によるものであり、軽度であればマウスピース型矯正などで改善が見込まれることもあります。歯の位置の異常は、子どもの頃の指しゃぶりや舌の癖、頬づえなどが関係していることが少なくありません。

舌の癖や呼吸の習慣

受け口の形成には、舌の位置や動き、呼吸の仕方も深く関係しています。たとえば、舌が常に下の前歯の裏側にある状態が続くと、少しずつ下の歯が前方に押し出され、受け口が助長されることがあります。

また、口呼吸が習慣になっていると、上顎の成長が抑えられ、下顎が相対的に前に出て見えるようになります。

これらの癖は一見すると些細なことのように感じられるかもしれませんが、長年にわたって続くと歯列や骨格の成長に影響を与えます。

受け口を放置するとどうなる？

受け口（反対咬合）は、見た目の問題だけにとどまらず、さまざまな機能的なリスクを引き起こす可能性があります。放置すると日常生活や健康に影響が及ぶケースもあります。

ここでは、受け口をそのままにしておくことで起こり得る代表的な影響について解説します。

噛み合わせのバランスが崩れる

受け口の状態では、上下の歯が正しく噛み合わず、前歯や奥歯への負担が偏ります。その結果、特定の歯ばかりに力がかかるようになり、歯の摩耗や歯周病のリスクが高まります。

また、左右で噛む力のバランスが悪くなると、顎の関節や筋肉に無理がかかり、顎関節症を引き起こすこともあります。

発音や滑舌に影響を与える

受け口の方は、上下の前歯の位置関係によって舌の動きが制限されて、発音にも影響を与えることがあります。サ行やタ行などの子音が不明瞭になりやすく、話しにくさや聞き取りにくさを感じることがあります。

発音の問題は、仕事や人間関係の中で無意識にストレスやコンプレックスにつながることもあります。

顔の印象や表情に影響が出ることがある

受け口は、横顔や正面からの顔つきに独特の印象を与えることがあります。しゃくれと呼ばれる状態が目立つことがあり、本人が気にしている場合には心理的な影響が無視できません。見た目のコンプレックスとして長期的な悩みの種になることもあります。

消化器への負担が増す可能性がある

噛み合わせが悪いと食べ物を十分に咀嚼できず、飲み込む際に大きな塊のまま胃へ送られることがあります。このような食べ方が習慣化すると、胃や腸に余計な負担がかかり、消化不良や胃もたれといった症状を引き起こす可能性があります。

歯の役割は食べるという身体の基本的な機能とも密接に関係しているため、咬合異常は全身の健康にもつながってくるのです。

年齢を重ねるごとに治療が難しくなる

受け口を早期に治療することで、歯の移動や骨格の補正がスムーズに行える可能性が高まります。大人になってからでは骨の柔軟性が低下しているため、矯正治療に時間がかかったり、外科手術を併用しなければならないケースも出てきます。

放置する期間が長いほど、治療方法が限定され、身体的・経済的な負担も大きくなる傾向にあります。

大人の受け口を矯正する方法

以下に、大人の受け口矯正に用いられる代表的な方法について解説します。

マウスピース矯正

軽度の受け口に対しては、透明なマウスピースを使用した矯正治療が行われることがあります。アライナーと呼ばれるこの装置は、装着していても目立ちにくく、取り外しも可能であることから、社会人や人と接する機会が多い方にも選ばれています。

数週間ごとに形状の異なるマウスピースに交換しながら、少しずつ歯の位置を調整していきます。

ただし、骨格的なズレが大きい場合や、下顎が極端に前に出ているケースでは、マウスピース単独では効果が不十分なこともあります。

ワイヤー矯正

歯並びや噛み合わせの改善を目指すうえで、もっとも確実な治療方法として挙げられるのがワイヤー矯正です。歯の表側または裏側にブラケットとワイヤーを装着し、計画的に力を加えて歯を動かしていきます。

前歯の位置関係や全体のバランスを整えることが可能で、広範囲にわたる調整も可能です。

ワイヤー矯正は、見た目が気になるという理由で敬遠されることもありますが、裏側矯正（リンガル矯正）を選べば、審美性を保ちながら治療を進められます。また、装置の選択によっては、従来よりも痛みや違和感を軽減することも可能です。

外科矯正

受け口の原因が骨格的なアンバランスにある場合には、歯列矯正だけでは対応できないことがあります。このようなケースでは外科矯正と呼ばれる方法が検討されます。

外科矯正は、顎の骨を外科手術によって正しい位置に整えたうえで、歯列の調整を行う治療法です。手術が必要となるため身体的負担はあるものの、噛み合わせだけでなく横顔や輪郭といった審美面の改善も期待できます。

入院や全身麻酔を伴う治療となるため、事前のカウンセリングや検査を通じて、患者さまにとって本当に必要な処置かどうかを慎重に判断する必要があります。

大人の受け口を矯正する場合の費用

大人の受け口矯正にかかる費用は、選択する治療法によって大きく異なります。軽度なケースであれば部分的なマウスピース矯正で対応できる可能性もありますが、骨格的な問題がある場合は外科手術を伴う矯正が必要になることもあります。

＜大人の受け口を矯正する場合の費用＞

治療法	費用の目安
マウスピース矯正	約60万〜90万円
表側矯正	約70万〜100万円
裏側（リンガル）矯正	約100万〜140万円
外科矯正（手術含む）	約100万〜150万円以上

費用は治療内容や通院するクリニックによって変動するので、事前にカウンセリングで詳細を確認しておくことが大切です。

まとめ

受け口は見た目だけでなく、噛み合わせや発音、顎関節の健康にも影響を及ぼすため、大人になってからでも治療を検討する価値があります。マウスピース矯正やワイヤー矯正、必要に応じて外科矯正など、症状に合わせた方法を選択することで改善が期待できます。

費用や治療期間は治療法によって異なりますが、放置することで後々のリスクや負担が増える可能性も否定できません。少しでも気になる症状がある方は、まずは矯正歯科での相談から始めてみてください。

受け口の矯正治療を検討されている方は、高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院では、全身の健康と長寿に貢献できる長期的な視点をもった治療を行っています。専門的な歯周病治療だけでなく、予防歯科、虫歯治療、インプラント、ホワイトニングなど、さまざまな診療を行っております。

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