こんにちは。高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」です。
夜中に虫歯の痛みで目が覚めてしまったという経験はありませんか。虫歯が悪化すると、昼間は我慢できていた痛みが、夜になると強く感じられることがあります。眠れないほどの痛みに悩まされると、翌日の生活に支障が出るケースもあります。
この記事では、虫歯の痛みで眠れない夜にできる対処法や、考えられる原因についてわかりやすく解説します。
夜になると歯が痛くなる原因

昼間はそれほど気にならなかった歯の痛みが、夜になると急に強く感じられるのには、いくつかの理由があります。
まず1つ目は、血流の変化です。横になって寝る体勢になると頭部への血流が増え、歯の神経周囲の圧力が高まります。これが、痛みを敏感に感じさせる一因となります。
2つ目は、副交感神経の働きです。夜はリラックスするために副交感神経が優位になり、神経が敏感になる傾向があります。その結果、昼間は気づかなかった痛みを強く意識するようになるのです。
また、静かな夜は周囲の刺激が少ないため、痛みそのものに意識が集中しやすくなることもあります。些細な違和感でも増幅されて感じられるため、実際より強い痛みとして認識されるのです。
虫歯になった歯が痛くて眠れないときの対処方法

虫歯による激しい歯の痛みで眠れない夜を過ごすのは、非常につらいものです。歯科医院が開いていない深夜に痛みを和らげるために、いくつかの応急処置を知っておくと安心です。
痛み止めを服用する
痛み止めを服用することで、痛みを一時的に和らげることができます。用法・用量を守り、空腹時を避けて服用しましょう。胃に負担をかけにくい食後に服用することが推奨されます。
痛みがひどい場合や、薬が効かないときは、歯科医師に相談してください。また、薬の長期間の服用は避けましょう。
頭を高くして寝る
横になると血流が頭に集中して、歯の痛みが増幅されることがあります。特に、夜は副交感神経が優位になり、痛みに敏感になりやすいため、普段よりも痛みを強く感じることがあります。
そこで、枕を高めにして頭をやや起こした状態で寝ることで、頭部への血流を緩やかにし、炎症部分への圧力を軽減できる可能性があります。抱き枕やクッションを活用して上半身を少し起こすような姿勢にすると、より楽に眠れる場合もあります。
歯の痛みで眠れないときの一時的な対処法として有効です。
冷やす
頬の外側から冷たいタオルや保冷剤で優しく冷やすと、炎症を鎮め、痛みを一時的に和らげる効果が期待できます。これは、冷却によって血管が収縮し、腫れやズキズキする感覚を緩和できるためです。
ただし、冷やしすぎには注意が必要です。長時間当て続けると逆に皮膚を傷めたり、血流が悪くなって回復が遅れたりする可能性があります。
必ずタオルなどで包み、直接肌に当てないようにし、5~10分ごとに休憩を入れてください。急激な冷却よりも、徐々に温度を下げていくほうがより効果的です。
歯を清潔に保つ
就寝前には丁寧に歯磨きを行い、食べカスやプラークを取り除きましょう。特に虫歯の部分に食べ物が詰まっていると、細菌が繁殖しやすくなり、神経を刺激して強い痛みの原因になります。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯の間もしっかり清掃することが大切です。また、仕上げに殺菌効果のある洗口液でうがいをすると、口内の細菌を減らすのに役立ち、痛みの悪化を防げる可能性があります。
アルコールを控える
アルコールは血流を促進し、炎症を悪化させて痛みを強める可能性があります。特に就寝前に摂取すると、神経が敏感になり、寝つきが悪くなる原因にもなります。
痛みがある夜は、お酒や辛い食べ物などの刺激物は控え、白湯やノンカフェインの飲み物などで体を温めながらリラックスするよう心がけましょう。睡眠環境を整えることで、痛みの緩和にもつながります。
歯が痛くなる虫歯以外で考えられる原因

歯の痛みは虫歯が原因であることが多いですが、それ以外にもさまざまな疾患やトラブルが原因となることがあります。虫歯の治療をしても痛みが続く場合や、虫歯が見当たらないのに痛みがある場合は、以下のような原因が考えられます。
歯周病
歯ぐきの炎症によって歯を支える組織が破壊される歯周病が歯の痛みの原因になることがあります。歯ぐきが腫れていたり、出血していたりする場合は、歯周病が進行している可能性があります。放置すると歯がぐらつき、最終的には抜けることもあるため注意が必要です。
歯ぎしりや食いしばり
無意識のうちに歯を強く噛みしめたり、歯ぎしりをしていたりすると、歯に過剰な負担がかかり痛みを引き起こします。特に起床時に痛みや顎の疲れを感じる場合は、ナイトガード(マウスピース)の使用を検討しましょう。
親知らずの炎症や埋伏
親知らずがきちんと生えきらずに歯ぐきに埋もれている場合や、部分的にしか出ていない場合、汚れが溜まりやすく炎症を起こすリスクが高まります。この状態は、智歯周囲炎(ちししゅういえん)と呼ばれ、特に夜間に痛みが強くなることもあります。
口を開けにくくなる、発熱を伴うなどの症状が現れた場合は、早めの受診が必要です。
歯のひび割れや破折
硬いものを噛んだり、無意識のうちに歯ぎしり・食いしばりをしたりすることによって歯のひび割れや破折が引き起こされることがあります。特に夜間は、噛みしめが強くなる傾向があるため、痛みが悪化するケースも少なくありません。
ひびが浅ければ経過観察で済むこともありますが、神経にまで達していると大掛かりな治療が必要になることもあります。見た目に異常がなくても、違和感や痛みが続く場合は、歯科医院での精密な診断が重要です。
顎関節症
顎関節症は、ストレスや噛み合わせの悪さ、姿勢不良など、さまざまな要因で発症します。痛みは顎だけでなく、こめかみや耳の周囲、さらには首や肩にまで広がることもあり、歯が痛むように感じる場合もあります。
就寝中の歯ぎしりや食いしばりによって悪化する可能性があるため、ナイトガードの使用や生活習慣の見直しが重要です。
朝になって痛みがひいていても歯科医院を受診すべき?

夜中に虫歯の痛みで眠れなかったのに、朝になると不思議と痛みが落ち着いていることがあります。そのようなとき「もう治ったのでは?」と考えて歯科医院の受診を見送る方もいるかもしれません。
しかし、たとえ痛みが一時的に和らいでも、歯科医院を受診することが推奨されます。一時的に痛みが引いたように感じられても、虫歯の原因となっている細菌は口の中に残ったままで、症状が進行している可能性があります。
痛みがなくなったからといって自然に治癒するわけではありません。むしろ、神経の炎症が進んで痛みを感じにくくなっただけということもあり、その場合、症状が深刻化している可能性さえあります。
また、夜間に強い痛みが出たという事実自体が、口の中で何らかの異常が起きているサインです。虫歯が原因であれば、歯の神経にまで感染が及んでいたり、歯の根の部分に炎症が広がっていたりすることも考えられます。
さらに、原因が虫歯ではなく歯周病や歯のひび割れ、噛み合わせの異常などの場合もあり、いずれにしても放置すると状態が悪化するリスクがあります。
朝になって落ち着いていたとしても、歯科医院で検査や治療を受けておくことが、再発や深刻なトラブルを防ぐうえで非常に重要です。症状が軽いうちに対処することで、治療の負担も軽くなり、結果的に健康な歯を長く保つことにつながります。
まとめ

虫歯による痛みで眠れない夜は、とてもつらいものです。夜間に痛みが増すのには理由があり、血流の変化や日中の疲労の蓄積が関係しています。
一時的な対処法で痛みを和らげることはできますが、根本的な解決には歯科治療が欠かせません。朝になって痛みがひいても虫歯が治ったわけではなく、放置すれば悪化する可能性もあります。つらい夜を繰り返さないためにも、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
虫歯にお悩みの方は、高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、全身の健康と長寿に貢献できる長期的な視点をもった治療を行っています。専門的な歯周病治療だけでなく、予防歯科、虫歯治療、インプラント、ホワイトニングなど、さまざまな診療を行っております。
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