こんにちは。高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」です。
毎日しっかりと歯磨きをしているのに歯周病になったとお悩みの方がいるのではないでしょうか。歯周病予防のためには、歯磨きをしてプラークを除去することが大切です。
しかし、正しい方法で歯磨きをしないと磨き残しが生じて歯周病になるリスクが高まります。では、どのように歯磨きをしたらよいのでしょうか。
今回は、歯周病を予防するための歯磨きの仕方について解説します。歯周病を予防するために歯磨き以外で大切なことも解説しますので、歯周病を予防したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
歯周病とは

歯周病とは、歯を支える歯ぐきや骨が炎症によって壊されていく病気の総称です。初期段階では歯ぐきの腫れや出血といった軽い症状から始まりますが、進行すると歯を支える骨が減少し、最終的には歯を失う原因となります。
虫歯と並び、日本人が歯を失う大きな要因とされており、特に中高年以降に多く見られる疾患です。以下に、歯周病の原因や症状、全身疾患との関係などについて解説します。
歯周病の原因
歯周病の主な原因は、歯と歯ぐきの間にたまる歯垢(プラーク)です。プラークは細菌のかたまりで、毎日の歯磨きが不十分だと歯の表面に付着します。プラークをそのまま放置すると、歯ぐきの炎症や出血を引き起こす原因となります。
プラークは時間の経過とともに硬くなって歯石へと変化します。歯石になると歯ブラシでは落とすことができません。
歯石の表面はざらざらとしているため、歯周病の原因となるプラークが付着しやすいです。これによって、歯周病になるリスクがさらに高まります。
特に、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目など、歯ブラシが当たりにくく汚れが残りやすい部分は注意が必要です。歯周病を予防するためには、毎日ていねいに歯磨きを行い、歯垢をしっかり除去することが大切です。
歯周病が進行する仕組み
プラークによる炎症が続くと、歯と歯ぐきの間に歯周ポケットと呼ばれるすき間ができます。健康な歯ぐきの歯周ポケットは1~2mm程度ですが、4mm以上になると歯周病が進行しているサインです。
深くなった歯周ポケット内の汚れは歯磨きでは取り除けないため、歯科医院で専用の器具を使ったクリーニングが必要になります。
歯周病の症状
歯周病の症状には、歯ぐきの腫れや出血、口臭、歯のぐらつきなどがあります。初期段階では歯磨きをしたときに歯ぐきから出血することが多いです。
進行すると歯ぐきが下がったり、口臭が強くなったりします。さらに進行すると、歯を支える顎の骨が破壊されて歯がぐらつくようになります。最終的には歯が抜けてしまうこともあるでしょう。
歯周病と全身疾患の関係
歯周病は歯ぐきの炎症や歯を支える骨を溶かすだけでなく、全身疾患とも深い関係があります。例えば、歯周病が進行すると血管内に炎症物質が入り込み、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが高まることがわかっています。
歯磨きによる歯周病予防の重要性

歯周病を予防するためには、歯磨きによってプラーク(歯垢)を取り除くことが欠かせません。プラークをしっかり落とすことで、歯ぐきの炎症や出血、歯周病の進行を防ぐことができます。
歯磨きは食後や就寝前など、口の中で細菌が増えやすいタイミングで丁寧に行うことが大切です。特に、就寝中は唾液の分泌量が減り、細菌が繁殖しやすくなります。そのため、寝る前の歯磨きは欠かせません。
歯周病予防に効果的な歯磨き方法

歯磨きをするときは、毛先が細く柔らかい歯ブラシと、自分の歯や歯ぐきの状態に合った歯磨き粉を選ぶことが大切です。歯磨きの際は、歯ブラシを歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当て、小刻みに優しく動かすことで歯垢を効果的に除去できます。
さらに、歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の隙間には、歯間ブラシやデンタルフロスを取り入れると効果的です。歯間ブラシは無理なく入るサイズを選び、デンタルフロスは歯の側面に沿わせて上下に動かすのが基本です。
こうした補助清掃用具を毎日の歯磨きに組み合わせることで、プラークの除去効果が高まり、歯周病の予防につながります。
なお、歯ブラシは使用するうちに毛先が開いて清掃効果が落ちてしまうため、1か月程度を目安に交換しましょう。毛先が広がったまま使い続けると、歯ぐきを傷つけたり汚れを落としきれなかったりする原因になります。
歯磨きだけでは防ぎきれない歯周病とその対策

毎日しっかり歯磨きをしていても、すべての汚れを落とすことは困難です。歯と歯の間や歯ぐきの境目にはプラークが残りやすく、時間が経つと歯石になることがあります。
歯石は自宅でのケアでは除去が難しく、放置すると歯周病の原因となるため、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが重要です。
また、歯周病が進行すると、歯ぐきの腫れや出血だけでなく、歯を支える骨が溶かされます。自覚症状が少ないまま進行する場合もあるため、歯磨きだけに頼らず、定期的な歯科検診やクリーニングで早期発見・早期対応を心がけましょう。
専門的な治療が必要なケース
歯周病が進行してしまった場合、歯磨きや通常のクリーニングでは改善が難しくなります。この段階では、縁下歯石(歯ぐきの下にたまった硬い歯石)の除去やルートプレーニングなど、歯科医院での治療が必要になります。
症状が悪化する前に受診し、適切な治療や指導を受けることが予後の改善につながります。
歯周病治療にかかる費用と期間

歯周病治療の多くは保険適用の対象となります。
軽度の歯周病であれば、歯石除去や歯周ポケットの清掃、基本的な歯磨き指導などが行われ、費用は3割負担の場合で5,000円から1万円程度です。
歯がぐらつくほど歯周病が進行すると複雑な治療が必要になるケースが多く、費用も高くなる傾向にあります。中等度の歯周病の治療には、3割負担の場合で1万円から2万円ほどかかるでしょう。
顎の骨の破壊が進み、重度の状態にまで進行すると、歯周外科治療が必要になるケースがほとんどです。費用は3割負担の場合で1万5,000円から3万円程度で、自費診療の場合には10万円以上かかるケースもあります。
軽度であれば1〜2か月程度で治療が終わることもありますが、中等度以上になると半年〜1年以上かかる場合もあります。治療前に歯科医院で費用や治療計画について十分な説明を受けることが大切です。
歯周病予防のための通院頻度

歯周病の予防や早期発見には、定期的な歯科受診とプロフェッショナルケアが欠かせません。
自宅での歯磨きだけでは落としきれないプラークが蓄積すると、これが歯周病の進行につながります。そのため、歯ぐきの状態チェックとクリーニングを定期的に受けることが重要です。
通常は3〜6か月に1回の頻度で検診を受けるように指示されるケースが多いです。
しかし、歯周病リスクが高い方は1〜3か月に1回と、短い間隔で検診を受けるように指示されるケースもあります。通院の頻度については、歯科医師の指示に従うことが大切です。
歯科医師の指示に従って歯科医院で検診を受けることで、歯周病の進行を未然に防ぐことができます。
まとめ

歯周病とは、歯ぐきに炎症が起こり、進行すると歯を支える骨が溶けてしまう病気です。最悪の場合には歯を失う可能性もあります。
日々の歯磨きは歯周病予防に欠かせない習慣ですが、正しい方法で丁寧に行うことが大切です。歯ブラシの選び方や磨き方を工夫し、歯と歯ぐきの境目を意識して磨くことで、プラークの除去効果が高まります。
しかし、歯磨きだけでは取りきれない汚れもあるため、定期的な歯科受診も重要です。毎日のケアと専門的なサポートを組み合わせることで、歯周病のリスクを抑えることが期待できます。
歯周病の症状にお悩みの方は、高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、全身の健康と長寿に貢献できる長期的な視点をもった治療を行っています。専門的な歯周病治療だけでなく、予防歯科、虫歯治療、インプラント、ホワイトニングなど、さまざまな診療を行っております。
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