こんにちは。高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」です。
インビザラインは、透明なマウスピースを使用して歯列を矯正する方法で、目立ちにくく取り外しが可能な点から多くの人に選ばれています。
しかし、治療を進める中で「抜歯が必要になるの?」と不安を感じる方も少なくありません。実際にどのようなケースで抜歯が必要になるのか、その理由やメリット・デメリットをしっかり理解しておくことが大切です。
この記事では、インビザライン治療における抜歯の実際について、必要となるケースやその背景、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。
インビザラインとは

インビザラインとは、透明なマウスピース型の矯正装置を使って歯並びを整える治療法です。従来のワイヤー矯正とは異なり、装置が目立ちにくく取り外しが可能であることから、見た目や衛生面を気にされる方に人気があります。
治療は、精密なスキャンに基づいて作成されたマウスピースを使用して進めていきます。少しずつ形状の違うマウスピースを1〜2週間に一度使用しながら、歯を段階的に移動させていきます。
1枚のマウスピースで移動させられる歯の距離は0.25mm程度で、強い力がかかりにくいためワイヤー矯正と比べて痛みが少ないとされていることも特徴です。また、食事や歯磨きの際にはマウスピースを取り外せるので、口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを抑えられるでしょう。
ただし、装着時間を守る必要があり、自己管理が重要な治療法といえます。具体的には、1日20~22時間の装着が推奨されており、装着時間が足りないと十分な効果を得られなくなる可能性があるため注意しましょう。
また、ワイヤー矯正と比べると歯の移動に時間がかかる傾向があり、対応できない症例がある点も理解しておく必要があります。
インビザライン矯正で抜歯が必要になるケース

「インビザライン矯正では抜歯をしない」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
しかし、インビザラインに限らず、矯正治療では抜歯が必要になるケースがあります。抜歯が必要と判断される主なケースは、以下のとおりです。
歯を並べるスペースが不足している
歯並びを整えるための十分なスペースがないケースでは、抜歯が必要になります。歯と顎の大きさのバランスが悪いと、歯がきれいに並ばず、ガタガタとした歯並びや出っ歯などの不正咬合を起こす可能性があります。
特に、前歯が前方に突出している場合は、前歯を後方に下げるためのスペースを確保しなければなりません。歯を大きく移動させる必要がある場合は、抜歯を検討するケースが多いでしょう。
前歯が大きく出ている
前歯が飛び出している出っ歯(上顎前突)などの症状がある場合、口腔内のスペースが不足している可能性が考えられます。上顎前突を改善するために、前歯を後方へ移動させる必要がある場合、抜歯が必要になることがあります。
出っ歯は見た目に大きな影響を与えるだけでなく、発音しづらさや前歯で舌を傷つけるリスクなど、機能的な問題も起こり得ます。上顎の前歯を後方へ下げるには、抜歯によって確保したスペースを利用するのが一般的です。
奥歯の噛み合わせが悪い
前歯だけでなく、奥歯も正しく機能させることで、バランスのよい噛み合わせを実現できます。インビザラインは、奥歯の位置を調整し、噛み合わせのバランスを改善することも可能な治療法です。
しかし、奥歯の位置を調整するためのスペースが不足していると、正しく機能する位置に移動させることができません。この場合、抜歯が必要と判断されることがあります。
歯並びの乱れが重度
歯列不正が非常に重度で、歯の位置が大きく重なり合っている場合、抜歯が避けられない可能性があります。重度の叢生を放置すると、正しい歯列形成が困難になるため、歯を抜いてスペースを作る必要があるのです。
インビザライン矯正で抜歯をせずに治療できるケース

インビザライン矯正で抜歯をせずに治療できるケースは、以下のとおりです。
歯並びの乱れが軽度
歯並びが少しだけでこぼこになっているような場合、抜歯をせずに治療が行われることが多いです。
歯を削ることでスペースを作れる
歯の側面をわずかに削って、スペースを確保する処置をIPRと言います。IPRで歯の移動に必要なスペースを確保できる場合は、抜歯は必要ないでしょう。
1本あたり片側最大0.5mmほど削ることで、ある程度のスペースを歯列の全体に作れます。
インビザライン矯正で抜歯をするメリット

インビザライン矯正で抜歯を行うことには、次に挙げるようなメリットがあります。
歯並び・噛み合わせが整いやすい
抜歯をする目的は、歯を並べるスペースを確保することです。無理に歯を並べると、歯が重なり合ったり前歯が突出したりといった問題が起こる可能性があります。
抜歯によって十分なスペースが確保されると、歯が無理なく適切な位置に移動しやすくなり、整った歯並びを実現しやすくなるでしょう。結果として、横から見た時の歯列のラインや、上下の歯の噛み合わせが自然でバランスの取れた状態に近づきます。
正しい顔の形を調整できる
歯を並べるスペースが足りないまま無理に歯を動かすと、前歯の突出や後退などが起こる可能性があります。矯正治療で美しい歯並びを目指しているのに、別の歯並びの問題が発生することがあるのです。
抜歯をすることで歯にスペースを確保できれば、これらの問題の発生を防げるでしょう。特に、口元の突出感が軽減されると、横顔のラインが美しくなり、結果として自信を持って笑顔を見せられるようになるかもしれません。
インビザライン矯正で抜歯をするデメリット

どのような処置でも、メリットばかりではありません。ここでは、インビザライン矯正で抜歯をするデメリットについて解説していきます。
治療期間が長くなる可能性がある
抜歯によって生まれるスペースは、1本あたり7mm〜10mmほどです。このスペースを埋めるために、治療期間が長くなる可能性が考えられます。
ただし、歯の移動が複雑ではなくなることが多いので、抜歯せずに歯を移動させるよりは治療期間が短く済むケースも存在します。詳しい計画は歯科医師に確認してみましょう。
健康な歯を抜かなくてはいけない
矯正治療における抜歯では、健康上問題のない歯を抜くことが少なくありません。健康な歯を抜歯することは、患者さまの心身に大きな負担となる可能性があるでしょう。
また、抜歯による噛み合わせの変化や、抜歯箇所の痛みや出血などの影響を不安に感じる方は少なくありません。
抜歯後に痛みや腫れが出ることがある
抜歯後、患部に痛みや腫れなどの症状が現れることが多いです。抜歯後2〜3日をピークに1週間程度で落ち着いていきますが、痛みが不安な方は少なくありません。
また、患部が癒えてから矯正治療を実施する必要があるため、希望するタイミングで矯正治療を始められない可能性もあります。抜歯の必要性やタイミングなどは、歯科医師と相談しながら決めていきましょう。
まとめ

インビザライン矯正で抜歯を行うかどうかは、その人の歯の状態によって異なります。歯を並べるスペースが不足している場合や、歯が大きく突出している場合などは、抜歯が必要と判断されることがあるでしょう。
抜歯をすることで、歯並びや噛み合わせをよりスムーズに整えられるというメリットがあります。特に、口元の突出感を抑えたり、正しい噛み合わせを促したりする効果も期待できます。
しかし、健康な歯を抜くことで心理的な負担がかかることや、治療期間が延びる可能性があることなど、デメリットも存在します。歯科医師とよく相談して、慎重に検討しましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、全身の健康と長寿に貢献できる長期的な視点をもった治療を行っています。専門的な歯周病治療だけでなく、予防歯科、虫歯治療、インプラント、ホワイトニングなど、さまざまな診療を行っております。
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