こんにちは。高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」です。
顎関節症は、顎の関節や筋肉に違和感や痛みが生じる病気です。口が開かない、口の開閉時に音が鳴る、会話や食事がしづらいなど、日常生活に影響が出ることも少なくありません。
顎関節症を引き起こす原因のひとつに歯並びの乱れがあることをご存じでしょうか。噛み合わせが悪いことで、顎の関節に負担がかかり顎関節症になるケースがあるのです。
この記事では、歯並びの乱れと顎関節症の関係や、顎関節症を放置することで生じるリスク、改善方法について解説します。
顎関節症とは

顎関節症とは、顎の関節(顎関節)や、その周囲の筋肉に異常が生じ、痛みや不快感を引き起こす病気の総称です。日本人の4〜5人に1人が顎関節症の症状を持っている(※)と言われており、現代社会において身近な疾患のひとつとされています。
顎関節症の主な症状は、以下のとおりです。
- 口を開けたり閉じたりする際に音がする
- 顎の痛みや違和感が気になる
- 口を開けたときに痛みがある
- 口を大きく開けられない、開閉に制限がある
- 顎に力が入りにくく、噛みにくい
さらに、顎関節症は、顔の周囲だけに影響を及ぼすわけではありません。頭痛や肩こり、耳鳴り、めまいなど、全身に不調を引き起こすこともあります。放置すればするほど症状が慢性化することもある病気です。
※参照元:一般社団法人日本顎関節学会「顎関節症治療の指針 2025」
歯並びが悪いと顎関節症になる?

歯並びの悪さは、顎関節症の原因の一つと考えられています。歯並びが悪いと上下の歯がうまく噛み合わず、食べ物を噛む際の力のかかり方に偏りが生じます。
例えば、特定の歯ばかりに力が集中したり、本来噛み合うべき位置からずれて噛んだりすると、顎の関節や周囲の筋肉に余計な負担がかかるのです。顎に無理な力が加わり続けると、次第に関節にズレや炎症が生じて、口の開け閉めの際に痛みを感じるようになることがあります。
また、前歯が出ていたり、上下の歯がきちんと接触していなかったりする状態では、噛むたびに顎が不自然に動くことになります。これも、顎関節症の原因となる可能性があります。
そのほか、歯並びが悪いと無意識に口を開けたままにしたり、奥歯ばかりですりつぶすような噛み方をしたりと、咀嚼時に不自然な動きをするようになります。その結果、顎の筋肉が常に緊張した状態になりやすく、顎関節症を招くリスクが高まります。
歯並び以外の顎関節症の原因

顎関節症は歯並びの乱れだけでなく、複合的な要因によって引き起こされることが多いとされています。以下では、顎関節症に関わる原因について解説します。
歯ぎしりや食いしばり
顎関節症の代表的な誘因のひとつが、歯ぎしり(ブラキシズム)や食いしばりなどの悪習慣です。無意識のうちに行う方が多く、顎の関節や筋肉に過度な負担をかけ続けることで、顎がだるくなったり、筋肉痛のような痛みが出たりといった症状を引き起こします。
歯ぎしりは睡眠中によく見られますが、日中のストレスが原因になることも少なくありません。本人が自覚していないため、家族に指摘されたり、歯科医院で初めて気づくケースもあります。
長期間にわたって続くと、顎関節が変形したり歯がすり減ったりして顎関節症の発症リスクが高まります。
過度なストレス
仕事や人間関係、環境の変化などによる精神的なストレスは、無意識のうちに筋肉を緊張させたり、歯ぎしりや食いしばりといった癖を引き起こしたりする原因になります。ストレスによって交感神経が優位になることで、血行不良や筋肉の硬直が起こり、顎関節やその周囲の筋肉に負担がかかります。
また、精神的な緊張は歯の食いしばりにもつながるため、顎関節症の症状を悪化させかねません。
悪い姿勢
姿勢の悪さも見逃せない要因のひとつです。猫背や、デスクワーク時に頭が前に出た姿勢を長時間続けていると、首や肩の筋肉が緊張し、顎にも無理な力がかかります。関節や筋肉に慢性的なストレスがかかり、顎関節症の原因となります。
現代人にとっては、スマートフォンやパソコンの使用時間が長い生活が当たり前になっています。しかし、これが無意識のうちに顎関節に負担をかけていることが多いです。
顎関節症を放置するリスク

顎関節症に適切な対処をしないまま時間が経つと、さまざまな問題が生じる可能性があります。以下に、顎関節症を放置した場合に起こりうるリスクについて解説します。
痛みと不快感の慢性化
初期のうちは顎を動かしたときだけに生じていた違和感や痛みが、次第に安静時にも続くようになることがあります。痛みが日常的になると、食事や会話のたびに不快感を覚えるだけでなく、夜間の睡眠にも影響が及び、疲労が蓄積しやすくなります。
また、顎周囲の筋肉の緊張が首や肩にまで広がり、慢性的な頭痛や肩こりへとつながるケースも少なくありません。
噛み合わせの悪化
痛みをかばうために片側ばかりで噛むようになると、左右の筋肉や顎関節にかかる力が偏り、噛み合わせのバランスがさらに乱れていきます。噛み合わせが乱れていると顎への負担が大きくなり、症状をより悪化させる要因になります。
進行すると食べ物を噛み切りにくくなったり、発音が不明瞭になったりと、日常生活に支障をきたす場合もあるでしょう。
精神的ストレスや生活の質の低下
顎の痛みや不快感が長期間続くと、心身への影響も大きくなっていきます。会話や食事が思うようにできないことで、外出や人との交流を避けるようになる方もいます。
痛みによる睡眠不足やストレスの蓄積が続くと、気力や集中力の低下を招き、仕事や日常生活全体のパフォーマンスにも影響が出てくるでしょう。
顎関節症を改善する方法

顎関節症は放置すると悪化していく可能性も高いため、早期に適切な治療を受けることが大切です。ここでは、顎関節症を改善する方法について解説します。
噛み合わせの調整
顎関節症の原因が噛み合わせにあるケースでは、歯の高さ調整や詰め物・被せ物の修正が必要な場合があります。歯の摩耗や不適切な補綴物(詰め物や被せ物)によって噛み合わせがずれている場合、歯や補綴物の高さを整えることで顎関節への負担を軽減できます。
長年使っている詰め物や被せ物は、少しずつ噛み合わせが変化していることがあるため、違和感がある場合は歯科医院でチェックを受けるとよいでしょう。
姿勢や生活習慣の見直し
日常生活での姿勢や癖も、顎関節症の発症・悪化に大きく関与します。例えば、長時間のスマートフォン操作やパソコン作業で前傾姿勢が続くと、首や肩の筋肉が緊張し、顎関節にも負担がかかります。
また、食いしばりや歯ぎしりの癖も、無意識のうちに顎を酷使する原因になります。悪い姿勢や悪習慣を見直すことで、顎関節の負担を軽減できるでしょう。
悪習慣の見直しに加えて、適度な運動や十分な睡眠を心がけ、ストレスを溜め込まないことも大切です。心身の健康が整うことで、筋肉の緊張が緩和されて顎関節への負担も減少します。
スプリント療法
スプリント療法とは、マウスピースのような装置(スプリント)を夜間など一定時間装着することで、顎関節や筋肉にかかる力を和らげる治療法です。歯ぎしりや食いしばりなどによる負担を軽減し、顎関節の位置を安定させる効果が期待できます。
歯科医院では、患者さま一人ひとりの口の形に合わせたマウスピースの作成が可能です。顎の症状が強く、痛みや音が気になる場合に有効とされています。
ただし、スプリントはあくまで症状の緩和を目的とした一時的な措置であり、歯並びや噛み合わせを根本から整える治療ではありません。そのため、スプリントのみに頼るのではなく、原因に応じた治療と併用することが望ましいでしょう。
矯正治療
歯並びや噛み合わせの乱れが顎関節症の原因となっている場合、矯正治療も治療の選択肢のひとつです。歯並びと噛み合わせを改善できれば、顎の関節や筋肉にかかる負担を軽減でき、顎関節症の症状も改善できる可能性があります。
ただし、噛み合わせの治療を伴う矯正治療は1〜3年程度かかることが多く負担が大きいうえに、矯正治療を行っても必ずしも顎関節症が治るとは限りません。そのため、歯並びの乱れを治療したい場合や、ほかの顎関節症治療を行っても改善がみられない場合に検討されます。
薬物療法
痛みや炎症が強い場合には、薬による治療が検討されます。鎮痛薬や抗炎症薬により、顎関節の炎症や痛みを抑えることが目的です。筋肉の緊張が強い場合には、筋弛緩薬が処方されることもあります。
ただし、内服薬は一時的な対症療法であり、根本的な解決にはなりません。噛み合わせの改善やスプリント療法など、ほかの対処法と併用して行われることが多いです。
まとめ

歯並びが乱れていると、噛み合わせのバランスが崩れて顎関節や周囲の筋肉に負担がかかり、顎関節症の原因となることがあります。ただし、顎関節症はストレスや姿勢の悪さ、歯ぎしりなど複数の要因が絡み合って発症することが多いため、歯並びだけが原因とは限りません。
顎関節症を放置すると、慢性的な痛みや噛み合わせの悪化、生活の質の低下につながるリスクがあります。症状が気になる場合は、早めに歯科医院を受診し、噛み合わせの調整や矯正治療などご自身の状態に合った治療を受けましょう。
顎関節症や歯並びにお悩みの方は、高松市花ノ宮にある歯医者「中山歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、全身の健康と長寿に貢献できる長期的な視点をもった治療を行っています。専門的な歯周病治療だけでなく、予防歯科、虫歯治療、インプラント、ホワイトニングなど、さまざまな診療を行っております。
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