今日は近々、インプラント植立を予定している上顎前歯部の肉眼的観察をしました。

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 昨年の9月の初診時の上顎前歯部の状態です。
 
 上顎前歯を抜歯して、インプラント治療を行う治療方針をたてました。

 

 

 

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  3本の前歯を抜歯した直後の状態です。

 

 

 

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  即時に右の写真の様な仮義歯を入れ、歯が無くなって見かけが悪くならないように配慮しました。

 通常の義歯と違って前歯部にはフランジと呼ばれる歯肉の上に乗るスカートの部分がありません。

 

 

 

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  こういう形態の仮義歯を抜歯後直ちに装着すると、人工歯の辺縁が抜歯窩に食い込む形で歯肉を後方から前方にサポートしてくれることを期待できます。

 これは昨年、Dr.ロバート・ラムから教わった歯間乳頭保存の方法です。

 

 

 

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 抜歯後40日目の状態です。

 まだ歯間乳頭のスキャロップ形態が温存されています。

 

 

 

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  本日の状態です。抜歯してから5カ月余りたちます。

 歯肉が委縮してスキャロップ形態が薄らいできています。
 
 迫力ある歯間乳頭は無くなっていますが、だからと言ってDr.ロバートラムの方法に疑問は抱いていません。
 実は思い当たる点があるのです。

 

 

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  術後、夜間もこの仮義歯を装着させる指示を忘れていた為、一時期まで患者は夜、義歯を外していたことが発覚したのです。

 Dr.ロバート・ラムの方法は、4カ月間、 24時間連続使用を患者に指示したあと、インプラント埋入、即時レストレーションで豊富な歯間乳頭を維持するというものです。
 一度、義歯を使用しない時期が出来ると歯肉が虚脱し、ある時期を境に人工歯辺縁が歯肉の唇側に来るようになったのです。ちょっと残念です。
 
 右の写真は本日の仮義歯装着状態です。