本日、全顎的治療を完了した患者さんの初診時口腔内です。
同パノラマXP。
両側臼歯部はすれ違いで、咬合が崩壊していました。
この状態から治療がスタートしました。
そして、下顎全体と上顎前歯の治療はすでに完了し、本日、両側臼歯部のインプラントの上にブリッジを装着すれば全顎的治療が完了します。
本日、右上⑥5④相当部に装着したスクリュー固定式ブリッジです。
支台のインプラントに相当するブリッジ咬合面にホールが設けられています。
このネジ止め式ブリッジのインプラントに対する接続機構は以下のようなものです。
先ず、インプラントの上にユニアバットメント(1)を15Nでネジ留め固定します。
これが粘膜貫通部になります。次に、このユニアバットメントの上にブリッジを被せます、最後に、ユニアバットメントの頭に内部ネジ穴が設けられているので、ブリッジ咬合面のホールを経由して、その穴の中に固定用ネジ(2)を挿入、15Nでネジ止め固定してブリッジはしっかりとインプラントに対して固定されます。
ユニアバットメントを介してブリッジを接続するメリットは、ユニアバットメントにはテーパーが付与されているため、ブリッジの着脱方向に自由度が生まれ、それがインプラントの植立方向に直接左右されないことです。右上⑥5④セラモメタルブリッジが装着された状態。
同咬合面観。
インプラントの上に乗せる補綴物の固定は、セメント固定式とスクリュー固定式の二つがありますが、スクリュー固定式は圧倒的に着脱が容易なので、容易にインプラント周囲歯肉の経過観察を行えるスクリュー固定式を自分は好みます。
左上④5⑥スクリュー固定式セラモメタルブリッジ。
メタルフレームはCAD/CAMで作製するので精度が高く、ユニアバットメントに対してガタつくという様な事は一切ありません。
同咬合面観。
左上④5⑥セラモメタルブリッジが装着された状態。
同咬合面観。
右上⑥5④相当部に装着されたスクリュー固定式ブリッジのデンタルXP。
高い適合精度を示しています。
左上④5⑥相当部のスクリュー固定式セラモメタルブリッジのデンタルXP。
両側臼歯部にブリッジがスクリュー固定されました。
アクセスホールはコンポジットレジンで封鎖しました。
下顎のインプラントで支持されたワンピースのブリッジの咬合面観。
咬合面は硬質レジン歯です。
治療完了時の正面観。
同パノラマXP。
インプラントにしてから大変よく咬めると喜んで下さっています。
時間はかかりましたが、多くの面談時間をかけて患者さんの希望をお聞きし、その範囲内でベストの設計をし、快適でよく咬める口腔を作品として提供する作業はとても楽しく、やりがいのある仕事です。