デジタルデンティストリー・セミナー

 本日は、サンポート高松に於いて玉井歯科商店主催で開催された”デジタルデンティストリー・ソリューションセミナー”というのに参加して来た。講師は札幌の市岡千春先生、内容はセレックの実症例、セレックとCTの融合によるインプラント埋入におけるポジショニングの決定およびサージカルガイドの作成、セレックを用いたインプラント上部に接続するアバットメントの作製法や、上部冠の作製をセレックコネクトを用いて外部ラボとコラボする方法、などだ。アナログで、いかなる状況でもインプラントを埋入できるテクニックを持ち合わせているという前提で、やはりCTデータを使用して作製されたサージカルガイドはピンポイントでインプラントを埋入しなければならない場合には必要なものだ。

 興味深かった点は、インプラント上部に接続するアバットメントの設計と切り出しをセレックで行っている点だ。自分の臨床経験から、インプラント長期予後を決定するのはアバットメントが粘膜を貫通していく部分のカーブさせる度合いと、プラットフォームから上部冠マージンまでの距離であると感じている。その点、セレックとCTを癒合させるとCT画像上に軟組織の形態を反映させることが出来るので、インプラント補綴のキモといえるアバットメントから上部冠のエマ―ジェンスプロファイルをラボ任せでなく歯科医自身で決定し、制作できるところが、セレックでインプラント上部補綴を作製するメリットだ。これまで、インプラント補綴はラボ任せだったが、このキモの部分でラボと十分コミュニケーションをとる事が難しかった、その点、最重要の部分を自分が設計できることはデジタルデンティストリーの大変な長所であると思う。また、インプラント治療は経費率が高すぎて、よく考えてやらないと医院経営を危うくする可能性があると感じていたが、上部冠作製を院内ラボで歯科医自身が行うと、理にかなった形態を具備したアバットメントおよび上部セラミック冠がペイシャントフレンドリーな価格で提供することが可能となり、これは歯科医院にとっても患者さんにとっても良いことだろう。

 というわけで、当面、セレックとCTとの融合による恩恵を研究していきたい。

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