ジルコニアとはどういうものか?~1~

今日のテーマはジルコニアです。近年、歯科界にメタルフリーの時代が到来していますが、それはセラミックの進化に負うところが大きいといえます。コンポジットレジンも歯の白い色をだせるのですが、コンポジットレジンはセラミックよりもはるかに軟らかく、時間がたてば変化する歯科材料です。つまりコンポジットレジンは充填直後はツルツルと輝いていますが、経年的に表面がざらざらになってくるのです。一方のセラミックは陶材なので表面がツルツルであり、食器皿がそうであるように、長く同じ状態を保ちます。そのセラミックの中でも、現在主流となっているのがジルコニアです。

ところで歯科関係者の中にもジルコニアは金属であると思っている人がいまだにいるようですが、ジルコニアはセラミックです。たしかにジルコニウム(Zr)という金属元素が存在しているのでそのような誤解を生むのでしょう。ジルコニアは金属であるジルコニウム(Zr)と酸素(O)の酸化物であり、ZrO2 の化学式で表され、酸化されると金属ではなく、セラミックに分類される物性を持ちます。
(次回に続く)