ジルコニアとはどういうものか?~2~

ここで、歯科用セラミックの種類とその特徴について少し説明します。歯科用セラミックはざっくり分けて、ガラス系とも呼ばれるシリカ系セラミックと酸化セラミック(非シリカ系セラミック)の二種類に大別されます。シリカ系セラミックに属するセラミックには、長石系セラミック (ポーセレン)、ガラスセラミック、二ケイ酸リチウム系セラミックなどがあります。そして酸化セラミックに属するものとしてジルコニアとアルミナがあり、アルミナは衰退傾向にあるのでジルコニアが酸化セラミックの代表といえます。

長石系セラミックは、従来からポーセレンメタルボンドの前装部の焼成に用いられてきました。ブロックとして販売されているものの一例としては“CEREC Block”™があります。ガラス系セラミックの一例としてはEmpress CAD”™、二ケイ酸リチウム系セラミックの代表的なものが”e-max”™です。そして、ジルコニアセラミックの例としては、Procera “Zirconia”™、3M Espe “Lava”™、Noritake ”KATANA”™、WIELAND “Zenostar”™、DENTSPLY “Cercon”、等々、現在、多くのメーカーから非常にたくさんの商品が販売されています。

いろいろな種類があるセラミックスですが、これらの特徴について簡単に説明します。もっとも強度が高いものがジルコニアで、900~1300MPa以上の破折強度をもつといわれています。次に二ケイ酸リチウム系セラミックのe-maxが400MPa、長石系セラミックは100MPa程度です。ちなみに保険の金属冠に使用される金銀パラジウム合金は700MPa程度、ゴールド冠に用いられる純度の高い金合金で200MPa程度、天然歯のエナメル質は100MPa程度なのです。数値が高いほど破折に対する抵抗性が強い=硬いと考えてよいので、ジルコニアがいかに硬いかがわかります。

(次回に続く)