今日はプロビジョナル冠と同じ形態を最終補綴物に与えるテクニックについて勉強しました。

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1 この患者さんの下顎臼歯部にはインプラントが植立され、上部にはスクリューリテイン方式のプロビジョナルブリッジが装着されています。

プロビジョナル冠で数カ月様子を診ましたが、調子が良いので、今回、最終補綴物を作製することになりました。

 

 

 

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 2 同じ患者さんのパノラマX線写真です。

右下7543、左下67に6本のストローマンインプラントが植立されています。
対合歯は総義歯なので、今回の依頼ラボはいつもの鳴門市のアトリエココロではなく、地元のアートアンドサイエンスにお願いしました。
デンチャーからインプラントまでオールマイティーのラボだからです。 

 

 

 

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 3 現在のプロビに問題はなく、口腔内での適合も非常に良いため、あらためて最終補綴用の精密印象を採ることはせず、プロビジョナル冠を作製した作業模型を最終補綴作成用にも使用することにしました。  

 

 

 

 

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4 まずマッシュバイトで咬合採得をしました。 

 

 

 

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 5 これを、プロビジョナル冠を装着した(スクリュー固定式なので簡単に口腔内から作業模型に移行させられます)作業模型の咬合面に乗せます。

 
 この状態で対合模型を嵌合させ、直ちにチェアーサイドで咬合器に付着します。
このためにアートアンドサイエンスの植村さんに院内で待機してもらいました。

 

 

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 6 作業模型を咬合器に付着したら、つぎに模型上のプロビジョナル冠をシリコンパテですっぽりと覆いかぶせます。

これは現在のプロビの形態を最終補綴に写し取るためのテクニックです。
パテをラボに持ち帰った後、パテに孔をあけ、その穴からワックスを注入すれば、現在のプロビと同じ形態のワックスアップが出来上がります。パテによる印象採得後、プロビは再び患者さんの口腔に戻されます。
 
 今回の技術指導は植村さんによるものですがプロビジョナルの完成度が高い場合、この方法は有用だと思いました。