今日は左下顎臼歯部のインプラントの上部にセラモメタルクラウンをセメントで固定しました。

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1  ラボからこの様なインプラントに乗せるセラモメタル冠が届けられました。

 

 

 

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2  このセラモメタル冠はアバットメントというインプラント上に接続する金属の支台を介してインプラント上部に装着されます。

 

 

 

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3  口腔内に装着される直前のセラモメタル冠です。

今回は天然歯に装着される場合と同様に、セメントでアバットメント(支台)の上に固定する方式を採用しています。
ただし天然歯の場合と違うのは、仮着セメントで固定し、はずしたいときには自由に外せるようにするところです。

 

 

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 4  アバットを接続する前のインプラント周囲粘膜の状態です。

僕はインプラントの上部に補綴物を装着する際は、必ず装着時にインプラント周囲粘膜の炎症がないことを抑えておく意味で、写真撮影をしてチェックしています。
勿論このケースもインプラント周囲粘膜に炎症は全く見られません。 

 

 

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 5  ジグを用いて、二本のアバットメントが模型上と同じような互いの空間的位置関係を保って口腔のインプラントに接続された状態です。

この複数のアバットメントを正確に作業模型と同じく、互いの三次元的位置関係を保って口腔内にトランスファーすることは極めて重要です。  

 

 

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 6  その理由は、インプラント補綴は極めて高精度なので、少しでもアバットメントの互いの角度に模型と口腔内とでずれがあると、もう口腔内で正確に適合しなくなるからです。

右写真は、セメントで仮着後に撮影したデンタルX線写真ですが、後方のアバットメントにおいてクラウン辺縁が僅かに 浮き上がっていることが判明しました。
前回、試適作業において、アバットメントとメタルフレームとは正確に適合することを確認していますから、技工物の精度の問題ではなく、何らかのテクニカルな原因によってインプラントパーツが正確に模型上の位置関係を保って口腔内にトランスファーされなかった可能性が示唆されます。
 

 

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7  そこで一度、仮着した上部冠を撤去し、さらにアバットメントをも撤去し、もう一度アバットメントをジグを用いて注意深くインプラントに締め直しました。

そして上部冠を再仮着すると、今度は正確に適合していることを確認出来ました。