今日は包括歯科臨床学会2日目です。

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 2日目も朝から夕方まで、“Longevity”というテーマでくくられたいろいろな講演をみっちりと聴きました。

  午後は新潟再生歯学研究会施設長の榎本紘昭先生の「欠損歯列の容態と臨床対応」という基調講演を聴講しました。咬合を再構成するうえで、欠損補綴にさきだって歯列不正や歯周病当の問題を解決しなければならないケースが多いと思われます。榎本先生はこの状態を、“欠損歯列は病んでいる”と表現されていたのが印象的でした。

 

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  歯が欠損している場合、短絡的に欠損部に何か人工の歯を入れておけば済むという問題ではありません。欠損が発生した時点で、すでに残存歯列の歯の並びに狂いが生じており、これを是正して元の問題のなかった頃の歯並びに戻してから欠損部の歯の形態回復を行わないと、狂ったままの歯並びで見かけだけの修復を行っても真の健康的な機能回復は望めません。

 
 このことは日常臨床、特に保険診療の現場でよく見受けられます。歯がないからとりあえずブリッジや部分義歯を入れるのですが、対合する相手方の既にずれた歯並びやいたんだ歯冠形態に合わせて人工の歯の形態を作るので、やはり狂った歯並びやおかしな形態の歯を新たに作り出すだけの結果になるのです。こういった短絡的な無思慮の歯科治療は厳に戒められなければならない、ということをおっしゃっていました。