本日は、高松市歯科医師会法人化40周年記念シンポジウムに参加しました。

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本日は、高松市歯科医師会法人化40周年記念として開催されたシンポジウム「子・孫の世代を健口から健幸へ」に参加しました。3人の著名な先生方が講師としてご登壇されました。お一人目は東京都健康長寿センター研究所の枝広あや子先生(歯科医師)で、「認知症発症をみすえた口腔管理のエッセンス」と題されたご講演をされました。講演の中で、認知症の方は嚥下機能が低下しているため、カステラを口にいれてもぐもぐし続けても、いつまでたっても口蓋にへばりついたままであることを示す透視カメラの動画が紹介されていたのは印象的でした。認知症になれば口腔機能としての摂食嚥下機能が障害されますが、逆に口腔機能を活発に使い続ければ、認知症を予防出来ることが示されたことになり、今後の歯科医師の社会に果たす役割が示唆されました。

 

 お二人目は、糖尿病専門内科医の西田 亙(わたる)先生で、「歯科が誇る連続性こそが次世代を糖尿病から守る~我が事から我が子のこと、我が孫のこと~」と題した講演をされました。冒頭で、認知症の話題に触れ、久山町のリサーチに基づくデータから60歳以上の高齢者が生涯のうちに認知症になる確率は55%という驚愕の数字を紹介され、認知症はもはや我が国の国難である、というリサーチの報告者のコメントを紹介されていたのが印象的でした。この発症率を下げることに歯科医師は貢献できることを自分は知っているわけだから、もっともっと歯科医師の認知症予防における貢献力が社会に知れ渡るように頑張らなくちゃ、という意欲がめらめら湧き上がってきました。西田先生のメッセージのエッセンスはタイトル通りで、医科では病気の人を治すことしか考えていないが、歯科は病気の予備軍や、まだ健康な人が病気にならないように予防の知識を授けることが出来る素晴らしい職域であることを伝えられていました。西田先生のエネルギーの源泉は、社会の人々を病気にさせないように導く仕事の尊さに気付かれ、それを実践したいという大きな意欲のうちにあると思いました。

 三人目のモンゴル健康科学大学客員教授をされている岡崎好秀先生(歯科医師)のお話しの中で印象的だったのは、食育とは何を食べるべきかという栄養素の話よりも、どのように食べるかというところに力点を置いた指導の方が意味がある、という点でした。そこで、思い当たるのは、自分の早食い。昼休みにメールチェックしながら、5分でお弁当を流し込むのは絶対あらためねば、とおもいました。血糖値も上がるし、唾液アミラーゼの分泌も不十分になるし、決して良くないですから。

 以上、我々歯科医師の職域は、国民の健康に貢献できる、やりがいのある仕事で溢れていることを、あらためて感じて帰ってきました。