先日、口呼吸になる生活習慣を書いたが、今日は歯科的な原因で口呼吸を招く可能性があることに言及しよう。それは義歯だ。
全部床義歯装着患者が夜間義歯を外すことにより開口状態になり、これが原因でドライマウスとなることがある(1)。また、部分床義歯でも同様で、臼歯部が欠損し咬合支持の喪失を伴う状況にある部分床義歯装着患者が夜間義歯を外した場合、睡眠時の強いかみ締めにより下顎頭の変位が起こり(2)、下顎が回転しながら気道方向に沈下した場合に開口状態となり、口呼吸に起因するドライマウスになる。
参考文献:
(1)北川 登. ドライマウスの原因と検査法. Dental Medicine Research 29(1):57-61,2009
(2)山下秀一郎、他. 臼歯部咬合支持の喪失に伴う咬みしめ時の下顎頭変位. 補綴誌. 51巻4号. 699-709. 2007