歯科用金属をめぐる不都合な真実 9 ~金属アレルギーの診断~ 

原因不明の皮膚症状が出現し、金属アレルギーが原因かも?と疑われた場合はどうしたらいいのでしょう。
歯科金属アレルギーは全身性接触皮膚炎であるので、まず専門医を受診することが基本であり、重要です。皮膚科医での治療が未治療の場合、まず皮膚科を紹介します。

専門医の問診により、接触皮膚炎が疑われた場合は、まず最初にアレルゲンを特定する検査が行われます。これはパッチテストという方法で皮膚科で行われます。パッチテストとは、原因が疑われる物質を皮膚に少量貼り付ける検査で、もし皮膚炎が起こればその物質がアレルギー性接触皮膚炎を起こす原因物質であると判断する方法です。
また、リンパ球幼若化試験(LST)というものもあります。これは、リンパ球が抗原刺激を受けると幼若化し、核酸の取り込みが活発になる現象を利用するもので、患者のリンパ球を体外に取り出し、試験管内でそのリンパ球に金属イオンを加えてリンパ球を刺激し、その後チミジン(H3thymidin)(核酸の一種)の取り込み量を調べてその幼若化の程度でその金属がアレルギーの原因であるかどうかを判断する方法です。

(参考)
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018 日皮会誌:128(12),2431-2502,2018
接触皮膚炎診療のガイドライン  アレルギー 61(2)175-180.2012
(次回へ続く)