歯科用金属をめぐる不都合な真実 11 ~金属を外すと一時的に症状が悪化することがある~

また、なかには金属を除去した後、症状が一時的に急激に悪化することがあります。これはなぜでしょう。実は、この現象が起こると、その除去した金属が決定的に原因であるという証拠が固まると考えられて重視されています。つまり、この現象は、金属除去時に大量の金属切削片を飲み込ませたり、気道にまき散らすことで体内に入れていることによるのです。

Fregertは、金属アレルギーを起こす原因金属を経口摂取させると掌蹠の水疱や全身の皮疹が出現することを報告しています。つまり、金属除去という行為は、金属の経口摂食試験と同じ意味合いがあります。金属除去後の急激な症状悪化は、長期の経過観察結果を待たずして、その除去金属が犯人である可能性が極めて高いことを示しているというわけです。

したがって、被疑金属除去後の一過性の症状悪化は、非常に重要な現象として扱われています。
(次回に続く)