インプラント周囲炎(2)

 インプラント周囲炎の治療と予防は,今日の歯科医学が真剣に取り組まなければならない課題だ.必ずしも,全世界の学会で共通の統一的なインプラント周囲炎の診断基準や治療法が確立されているわけではないが,少なくとも現段階である程度のコンセンサスが得られているものがあれば,現時点でのベストの判断と対処に生かしたい.

 先ず,インプラント周囲炎の診断基準だが,プロービングとエックス線診断が重視されている.0.25Nの挿入圧で測定されるポケット値とBOP(Bleeding on Probing:プロービング時の歯肉出血)や排膿の有無は重要だ.プロービング時に歯肉出血を伴うことは,活発な歯周病原菌の存在を示すことは天然歯の歯周病と同様である.

 診断基準として,ポケットが4mm以上(BOPや排膿を伴う)で,ボーンロスがインプラント長の25%未満を初期型,ポケットが6mm以上(BOPや排膿を伴う)でボーンロスがインプラント長の25%以上で50%未満を中期型,ポケットが8mm以上(BOPや排膿を伴う)で,ボーンロスがインプラント長の50%を超えるものを進行型としている.