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2012年5月

インプラントの適正なポジショニングを決定する際のCAD/CAMの効用について考える

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  インプラントのポジショニングを決める際のCAD/CAMの役割は、適正な位置にインプラントを位置づけることに他ならない。
インプラントのポジショニングにおいて重要なことは、骨のみを見ていてはだめで、対合歯との位置関係や、周囲軟組織が清掃性や、発音、舌感、等の観点から適正に確保されているかどうかも併せて考慮すべきなので、軟組織をも見なければいけないのだ。
   

 

 

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   したがって、シミュレーションソフトに期待すべき機能として、顎骨の描出だけでなく、インプラント埋入を予定している軟組織の状況が画像上に反映されていなければならないことになる。

CT画像はX線の透過性の強弱によって硬組織と軟組織のコントラストを付けることは可能であるが、撮影した状況が必ずしも軟組織を正確に描出できているとは限らない。
 
  そこで、最終補綴物のワックスアップモデルの形態をシミュレーションの画像上にスーパーインポーズさせればよいということになる。
i-CAT社のランドマーカーシステムには、その機能が搭載されている。 

 

今日はセラミックインレーをセットしました。

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  上顎第一大臼歯にセラミックインレーをセットしました。
セラミックは表面がすべすべと滑らかでプラークが付着しにくく、また審美的なので、これからのメタルフリーデンティストリーの主役になるマテリアルでしょう。

 

 

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  現在のところ、シリコン印象剤を口の中に入れて精密印象を採っているのですが、間もなくこの印象法も過去のものになるでしょう。

これからは、スキャナーで削った歯型を読み取り、光学的データをデジタルデータに変換後、CAD/CAMでセラミックブロックを削り出して補綴物を造形するデジタルデンティストリーの幕が開かれようとしています。

 

 

 

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  デジタルデンティストリーの時代がやってくれば、現在の歯科のイメージは全く変わるはずです。

患者さんにとっても、歯科医にとっても、明るく、清潔で、快適な歯科医療が展開されていくでしょう。 

 

 

 

 

 

今日は上顎に3本、アストラテックインプラントを植立しました。

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1  本ケースではインプラント植立前に両側のサイナスリフトを行っています。

今回、術前にCT撮影を行い、十分な骨量が確保されていることを確認し、そのDICOMデータを用いたシミュレーションソフト上でインプラント植立のシミュレーションを行いました 。
その結果、十分安全にインプラントが植立可能なことを確認 出来ました。

 

 

 

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2   サージカルガイドを用いてシミュレーションと同じ位置に最も細い径のドリルでドリリングを行い、以後はハンドで操作するオーギュメーターを用いて徐々に埋入窩を拡大していきます。

サイナスリフトによって造骨した骨はまだやわらかいので、いきなりドリリングで最終径まで拡大してしまうと埋入窩が広くなり過ぎて、インプラントがグスグスになり十分な初期固定を得られなくなる可能性があるからです。 

 

 

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   事前にCT撮影を行っていれば骨の形態が把握できているのでフラップを開く必要はなくなります。

粘膜の厚みを正確に計測しておき、アダプターの粘膜の厚みに一致する目盛りを記憶した後、その目盛りが粘膜縁に一致する深さまでインプラントをトルクレンチで埋めていきます。
 
  フラップレスでインプラントを埋入出来るので、低侵襲オペが可能です。  

 

 

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 3   インプラント植立後の口腔内写真とパノラマXPです。

フラップレスオペは、術中は細心の注意を払う必要がありますが、植立の完了が、即、インプラント手術の完了なので、手術時間を短縮でき、また低侵襲なので患者さんにも優しい手術となり、CAD/CAMテクノロジーが歯科にどんどん浸透しつつある現在、インプラント手術のこれからのトレンドとなるでしょう。 

 

 

 

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今日はアストラテックインプラントのユニアバットメントの着脱システムについて、再考しました。

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  アストラテックインプラントのユ二アバットメントの着脱システムは、いささか複雑だ。
 
  今日、右上の様なスクリュー固定式の上部構造をインプラントに装着しようとして、このシステムのトラブルのために、補綴物が模型から外せないというトラブルを経験した。

 

 

 

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   スクリュー固定式上部構造は、真ん中の写真の様なユニアバットメントを介して、インプラントアナログ(プラスティック製の疑似インプラントのことで模型の中に埋没されている)に接続されるのだが、このユニアバットメントが模型からはずれない事態が生じたために、口腔内のインプラントにユニアバットメントを装着出来なくなってしまった。 

 

 

 

 

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   ユニアバットメントをインプラントに装着する際は、専用のアダプターを用いて25Nで締め付けるとインプラント体としっかり固定されるので、アダプターを反時計回転方向に回転するとアダプターのみが外れてくるように設計されている。

逆に、ユニアバットメントをインプラントから外したいときは、ユニアバットメントとアダプターを25N以上の結合力で両者を固定するようにトルクレンチでアダプターを時計方向に締めつけながら、アダプターの中央部をレンチで反時計方向に回転させると、ユニアバットメントはアダプターとともにはずれてくることになっている。しかし、なぜか、今日、これが上手くいかなかったのだ。なぜだろう? 

脆弱な地盤の上にも建築物は立つ

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  厳島神社の大鳥居はなぜ倒れないのだろう?と思って調べてみたら、その答えがわかりました。
クスノキで出来た柱は海底に1メートル足らずしか入っていないそうです。
それでも倒れないのは、屋根の直下に計7トンほどの石ころが乗せられているそうで、要するに自重のみで立っているのです。
 
  なるほど。一見、海底の砂地のような建築に不利な状況でも、工夫を施すことによって建築物は立つということですね。

 

今日はコラーゲンの生物学的機能について考えました。

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  上の写真は、5月9日にインプラント植立を行った創部の本日の治癒状態です。
真ん中の写真の如く、術直後はインプラント周囲の歯肉は不足し、ハイドロキシアパタイトが覗いていましたが、そこに下の写真のように“アビテンシート”を留置して置いたところ、本日はインプラント周囲に歯肉が充分認められています。
 
 
 
 
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   アビテンはウシ真皮から抽出したコラーゲンですが、従来は手術時の止血目的で使用されて来ました。

しかし、最近になってコラーゲンの機能は血小板の凝集に留まらず、血小板からの顆粒の放出、各種細胞間の基質、細胞の分化、骨や歯の石灰化、創傷の治癒促進、など多くの生物学的効果があることがわかって来ました。

 

 

 

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   既に創傷治癒促進効果が確認されているアテロコラーゲンである“テルダーミス”よりも使いやすいような実感があります。

 

 

 

 

 

今日は歯根破折を起こした左下7を抜歯後、ソケットプリザベーションを行いました。

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 1  左下7の術前デンタルXPです。

臨床的には頬側歯周ポケットが6ミリと深く、遠心根の遠心側にび慢性の透過像が見られることから、何か変だなと思いましたが、術前は根破折は疑っていませんでした。
フラップを開けて状況を確かめてみようと思い、フラップオペを開始しました。

 

 

 

 

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2  フラップを剥離後、間もなく歯冠が近遠心的に破折していることが確認されました。

この時点で保存困難と判断し、直ちに処置内容を抜歯に変更しました。 

 

 

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3  次に、抜歯窩にアパセラムAXを補填します。

抜歯後、抜歯窩に充満していた不良肉芽を十分ソウハしました。 

 

 

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4  次に、抜歯窩にアパセラムAXを補填します。

 

 

 

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5  ハイドロキシアパタイトの表層にコラーゲンシートを圧接します。

 

 

 

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6  最後に, Cytoplast TXT-200で表層を被覆し、半閉鎖創の状態で両側粘膜弁を縫合し、ソケットプリザベーションを終了しました。 

 

 

 

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 7  歯根破折の原因として外傷的な咬合力の存在が考えられますが、アマルガムが充填後、膨張するマテリアルであることも歯根破折と関係があります。 

 

 

 

今日の午後は、玉井歯科商店高松支店で開催されたセレックセミナーに参加してきました。

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  “セレックAC”はシロナ(独)が製造している歯科用CAD/CAMシステムです。セレックACが出来ることは、従来のアナログデンティストリー(削った歯を印象剤で形を採って石膏模型に起こし、ワックスアップを経て精密鋳造によりクラウンやインレーを作る技法にみられるような歯科医師や歯科技工士の経験と技術に頼る歯科医療)ではありません。セレックはデジタルデンティストリー(光学印象と言って、スキャナーで削った歯の形態を光学的に読み取り、それをデジタルデータに変換して、コンピューター操作で造型し、セラミックなどのブロックを歯の形に正確に削り出す技術にみられるようなコンピューターがサポートする安全で精密な歯科医療)の象徴といえます。
 
  数年前から、先進国ではコンピューターがサポートするテクノロジーが歯科の補綴や口腔外科などにおいて普及し始めており、このトレンドはグローバルなものです。
 
  デジタルデンティストリーの幕開けと言ってよい現在、セレックACの登場は歯科医療の価値を変えるよい契機となるでしょう。大いに着目する価値があります。 

 

今日は上顎前歯部のインプラントにセラミックブリッジを装着しました。

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1  今日の患者さんの初診時の状態です。
上顎前歯は右中切歯と左側切歯が反対咬合になっており、また唇側に傾斜した左中切歯も歯周病で同様しており、審美的にも、歯周病学的にも大きな問題を抱えていました。 

 

 

 

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 2  上記の3本の前歯を抜歯し、4カ月待って2本のインプラントを植立しました。

即時レストレーションでプロビジョナルを一定期間装着し、十分オッセオインテグレーションが得られた上で、全くプロビジョナルに問題が見られなかったので、本日、最終補綴物としてオールセラミックブリッジ(ジルコニアボンドブリッジ)を装着する運びとなりました。初診時と比較すると、きれいな前歯になりました。

 

 

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3  同部のデンタルX線写真です。

インプラント周囲骨の状況は大変良好です。

 

 

 

 

 

 

今日は上顎前歯の欠損部にシェルを接着し、見かけを回復しました。

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1  初診時、上顎前歯は欠損していました。

これから全顎的な補綴治療に入るのですが、たちまち応急的に前歯の見かけを回復させる必要があります。 

 

 

 

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2  そこでこの様なレジンシェルを作製し、欠損部に接着しました。

 

 

 

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3  とりあえず前歯の見かけを回復させました。

これからゆっくりと多くの歯を対象とした補綴治療に入っていきます。

 

 

 

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